労働契約

万引き被害額の従業員負担はアリなのか

小売業の業界では自社店舗で万引きが発覚した際に、被害額を当日の従業員の頭数で割るなどして従業員に損害を負担させる会社もあります。不注意に関する連帯責任ということなんでしょうが、そもそもこのような行為は法的に認められるのかどうか疑問に思う方…

誓約書は退職時ではなく入社時に提出させる

「労働者が会社を辞めた後も、守秘義務や競業避止義務を課したい」そう考えて労働者が退職する際に誓約書を書かせる企業は少なくありません。 しかしです。 労働者が誓約書の署名を「嫌だ」と拒否したら、その会社はどうすればよいのでしょうか。結論からい…

「限定正社員」をめぐる大いなる誤解

ここ数週間、ニュースで「限定正社員」という雇用形態についての報道が多くなってきたようです。政府の規制改革会議が推し進めているようです。夏の参院選を考慮して安倍政権が「解雇規制緩和」政策を見送ったのでその代わりということでしょうか。「限定正…

「準正社員」「賃金を抑え解雇しやすく」中途半端な政策でお茶を濁すのか

安倍内閣に代わってからというもの、「解雇規制緩和」への流れが加速しているように感じます。それ自体に異論はないのですが、気になるのは何とも中途半端なというか、意味不明というか、またしてもグダグダな政策が進行中のこの状況です。まずは具体的なニ…

会社から労働者に対して損害賠償請求はどの程度可能かを考える

会社が従業員に対して行う損害賠償請求の最も典型的な例は、従業員が会社の車を運転中に事故を起こすケースです。このケースでは有名な裁判例があり(茨石事件)、労働者の過失で自動車事故を起こし会社に損害を与えた場合であっても、会社が労働者に請求で…

突然言い出すから問題になる契約社員の更新拒否(雇止め)

一般的に契約社員は雇用の調整弁と考えられており、必要な時に必要な人員だけ更新をして、業務が減り必要がなくなったら契約を即打ち切るという使い方をされているパターンが大多数だと思われます。しかしこの運用は、そもそも有期契約が臨時的・一時的な業…

労働契約法改正まとめ 無期転換ルール7つのポイント

8月10日に公布された改正労働契約法ですが、一部は公布と同時に既に施行されている状況です。以下ポイントをまとめます。 1.無期労働契約への転換2.「雇止め法理」の法定化3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止 このうち「2」の「雇止…

5年を超える前に雇止めすれば問題ないという勘違い<改正労働契約法>

先週、改正労働契約法がとうとう可決、成立しました。有期雇用契約の労働者(契約社員)が同じ会社で5年を超えて反復更新された場合には、本人の希望により無期雇用(つまり正社員)への転換を企業に義務付けるという例の話題の法改正です。施行は来年の4月…

競業避止義務の有効性

少し古いニュースですが、生命保険のアリコジャパンの元執行役員が会社の競業避止義務規定に反して競合他社に転職し退職金を不支給にされた件で争われていた裁判で、会社の取り決めは無効として退職金を全額支払うよう命じられる判決が先月ありました。http:…

非正規社員の定年制

期間雇用の非正規社員たちが、65歳定年制により契約更新を拒否されたのは違法だとして会社を提訴したニュースがありました。 ニュースは以下 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2011120900469以下抜粋 訴状によると、郵便事業会社は民営化された200…

内定と内々定の取り消し

就職氷河期が続く昨今、やっと内定を獲得したのに企業の経営環境悪化で入社日がくる前に内定が取り消されてしまうのではないかと心配する学生も少なくないことと思います。不況を反映して最近は内定取り消しに係るトラブルが増加しています。そして今年2月、…

求人広告と実際の労働条件が違うときのポイント

求人広告を見て応募したが、入社したら求人広告に載っていた募集要項と実際の労働条件が違っていたというのはよくある話です。特によく聞くのは、「給料が聞いてたものより低かった」、「勤務時間が長い」「完全週休2日と書いてあったが、隔週で土曜出勤だっ…

就業規則がなぜ雇用契約書よりも重要なのか

最近は労働トラブルの増加が認識されてきたからなのか、従業員を採用する際に雇用契約書(または労働条件通知書・雇入通知書)をきちんと作成する企業が増えてきていると実感します。雇用契約書の確認や添削を依頼されることも少なくありません。もちろんリ…

退職勧奨のリスク

サイバーエージェントが10月から導入した新しい人事制度が波紋をよんでいるようです。「ミスマッチ制度」といわれるもので、下位5%にあたるD評価を2回受けた従業員は部署異動または退職勧奨のいずれかの選択を迫られるというものです。 ※以下参照 http://he…

労働条件通知書

労務関連で会社が従業員とトラブルになって相談を受ける際に、まずは雇用契約の内容がどうなっているかを確認することがよくあります。 労働基準法では、従業員を雇い入れる際に労働時間や賃金など一定の労働条件を書面で明示することが義務付けられており、…