サマータイムの適切な運用
夏の電力不足に対応するため、サマータイム制度の導入を決める企業が増えているようです。
東京証券取引所、ソニー、森永乳業、三菱ふそう、伊藤園、コナミ、ユニチャーム、日本製紙、パナソニックが既に導入を決めていたと思います。
(伊藤園はさらにクールビズの期間を前倒ししたうえ、ポロシャツ勤務を認めるそうです。)
これらの流れは従業員の節電意識を高めることにもつながるし、
一定の節電効果が見込めるのは間違いないでしょう。
一方で
- サマータイムによる節電効果はあまり期待できない
- 節電効果は「休日取得の分散化」による場合の10分の1以下
- 昼休みを2時間にした方が、ピーク時の電力削減に大きな効果がある
などの意見もあります。
これらについては、効果の見込めるものから各社ができる事をやっていけばよいと思います。
しかし、最も気になるのは、
サマータイムを導入して始業時刻を繰り上げたのに、退社時刻が以前と変わらず、結局残業時間が増えただけというパターンです。
サマータイムを導入していない取引先などがあれば、自分だけ早い時間に帰れない場面もあるでしょう。従業員一人あたりの業務負荷が増えているこのご時世に、出社時刻を早めたからといって帰宅時刻も早くするなんて器用なことが簡単にできるのでしょうか。
サマータイムの名のもとに労働時間が長くなれば、従業員の不満が高まるのは当然ですが、そもそも節電どころか使用電力増加、やらない方がよかったっていう話です。
制度を導入するにあたっては、会社は始業時刻繰り上げ周知を行うだけではなく、繰り上げた時間分の残業が行われていないかを管理し、制度の適切な運用を徹底させていくことが求められます。
なお、サマータイムの導入は労働条件の変更にあたりますので、就業規則に規定がない場合は改定が必要になる事をお忘れなく。
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