更新料「有効」 最高裁判決がもたらすもの

15日、重要な最高裁の判決がでました。

気になっていた方も多かったのではないでしょうか。賃貸住宅に係る更新料の有効・無効を争う裁判です。

既に地裁で10件、高裁で4件が更新料を無効と判断しており、首都圏と関西を中心に多くの訴訟が継続中でした。該当物件は100万件と言われ、無効の判決が最高裁で確定すれば、過去の更新料を利子付きで借主に返さなければならなくなると考えられ、賃貸住宅業界は気が気ではなかったことでしょう。


※以下参照
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110716-00000118-san-soci


今回、最高裁が更新料が有効であるとする判断を初めて下したことによって、貸主側はほっと胸をなでおろし、借主側は大きく落胆したところですが、この判断にショックを受けた業界がもう1つあると思われます。



以前の記事で、弁護士の急増消費者金融に対する過払い金返還請求ビジネスについて触れました。

※その時の記事です。
残業代紛争は嵐の前の静けさなのか - 人事労務コンサルタントmayamaの視点


多くの法律事務所は、いずれ終焉を迎える過払い金返還請求に代わるビジネスを模索し、そしていくつかの分野に目をつけていました。

その1つが未払い残業代問題であることは以前書いたとおりですが、それと同等か、あるいはそれ以上の有望株として更新料返還請求ビジネスに目をつけ、今回の訴訟の動きを注視していたものと思われます。

ポスト過払い金として重要なポイントは、マニュアル化して多くの事務員を動員し、大量処理をかけられるかという点が挙げられます。そしてその為には、更新料を無効とする最高裁判決が最も重要だったわけです。


その目論見は今回見事に打ち砕かれたわけですが、
はっきりしていることは、

  • 多くの弁護士・司法書士を潤わせていたサラ金過払い金返還請求ビジネスは近々終息し、代わりのビジネスが必ず必要になる
  • そして、有望なビジネスと見込んでいた更新料問題は当該「代わりのビジネス」となり得ない
  • 他方、多くの中小企業においていまだ未払い残業代問題は根本的に解決されておらず、ポスト過払い金ビジネスとして依然有望な分野である

ということです。


労働トラブルは勃発した時点でおおかた勝負は決まっているものです。予防が何よりも重要であるということを何度も言っておきます。



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