65歳までの再雇用義務付けは間違いなく日本の経済を後退させる

今年初めての書き込みです。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は年末にかけて超多忙になり、ほとんど記事の更新ができず反省しております。今年はもっと更新頻度をあげていこうと心に誓い今年1本目の記事を書くことにします。


昨年の後半は老齢年金の支給開始年齢が引き上げられるという話題に衝撃を受けた方が多かったことと思います。そして、それに関連して非常に重大な法改正が近い将来行われようとしています。

企業に対する希望者全員の65歳までの再雇用義務付けです。

経済界は猛烈に反対していますが、これはもう政府としては既定路線のようです。2013年4月の施行を目指しているとのことです。あとは企業側にとって有利な条件をどのくらい引き出せるかというところです。定年年齢引き上げにならなかっただけましというところでしょうか。


以前のブログでも書きましたが、日本の再雇用制度は完全には機能していません。はっきり言ってまやかしです。

以前の記事はこちらです。
機能不全の再雇用制度 - 人事労務コンサルタントmayamaの視点

現在、再雇用制度によって65歳まで働ける労働者は全体の半分もいないのではないかと思われます。理由は色々ありますが、要するに現場を知らない官僚が考えた中途半端な制度なのです。


年金支給開始年齢引き上げを止めることはもはやできません。いずれ70歳まで引き上げられると確信しています。現時点で40代前半の方は多分逃げられないと思われます。年金財政が破綻寸前で財源がないのですからどうしようもありません。

問題は継続雇用の一律義務化です。何というかこれはもう問題の先送りどころではなく、日本の若者の未来を奪う行為ではないかと思います。100年安心だったはずの年金制度は改正から10年も経たずに崩れ落ち、いまだ抜本的な改革をする様子もなく、退職後から支給開始までに無収入期間が生じるからという理由で継続雇用を義務化させて年金政策の失敗を企業に押し付けるわけです。これらは一体何を引き起こすのか。

大企業は比較的適法に運用すると思われますから、増大する人件費を恐れて賃金の上昇を抑える動きは今後ますます強まるでしょうし、厳選採用はますます厳選され若者の雇用機会は圧迫される一方でしょう。高齢者の雇用継続の確保と引き換えに。

他方、現時点で高年齢者雇用確保措置を守っていない多くの中小企業はどのような対応をとっていくのでしょうか。素直に法律に従った中小企業が若者の減少で活力を失ってバカを見るような運用にはならないで欲しいですが。


年金政策の失敗は年金政策で取り返すしかなく、どこかで血を流さなければ正常な状態に戻ることはできないのです。若者の収入を奪い、雇用機会を奪い、消費を低迷させ、少子化を加速させれば日本の将来がどうなってしまうのか、お偉い政治家と霞が関の官僚の皆様はお分かりになっているのでしょうか。



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