4月から6月の残業と社会保険料

企業を悩ます多額の社会保険料


現在、人件費の約15%が企業の負担する法定福利費として発生すると言われています。
早い話、正社員1人を年収400万円で雇用すると、
その人に支払う給料・賞与以外に年間約60万円の経費がかかってくるということです。
年収500万の正社員20人の会社の場合、月あたりに換算すると、毎月約125万の出費です。
(業種や年齢等によって多少異なりますが)



社会保険料の中でも特に高いと言われる健康保険と厚生年金ですが、
これらの保険料は毎年4月から6月の給与額の平均に基づいて決まります。

つまり、4月に昇給した場合や、
4月から6月の間で通常時よりも残業がたくさん発生してしまった場合は、
1年間の保険料が高止まりするという、いまいち納得のいかない結果につながります。



「だから4月から6月の残業は抑えましょう」
と言うのは簡単ですが、
企業にもそれぞれ業務の都合というものがあります。





そんな中、厚生労働省より新しい通達がでているのでご紹介します。


http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110411S0030.pdf



4月〜6月給与の平均により算定した標準報酬月額が著しく不当である場合、
「保険者算定」という措置がとられますが、
今回の通達で、新たに以下の要件が追加されました。



4月〜6月の平均額から算出した標準報酬月額と、
前年7月〜当年6月の平均額から算出した標準報酬月額との間に
2等級以上の差が生じた場合であって、
その差が業務の性質上、毎年発生することが見込まれる場合




保険者算定は、会社が日本年金機構に対し、申立書を提出することで行われます。



この制度の利用により、4月から6月にかけて業務が繁忙だった会社は、
結果的に社会保険料が引き下がることになるものと考えられるでしょう。



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