人事労務コンサルタントは必要か

「企業の経営資源、ヒト・モノ・カネの3要素。
 その中で最も重要なヒトの管理」

私の業界でよく使われるフレーズです。




一般的に経営者はカネの管理に熱心だといえます。

設備投資を行ったり在庫を抱えたりする企業にとって、資金繰りのプレッシャーは常につきまといますし、
業績が上がれば税務対策、赤字になれば銀行対策、経営判断には原価管理やキャッシュフローの管理も重要です。
さらに株式公開すれば会計監査、金商法に基づいた財務諸表の作成が必要になります。


そもそもカネの管理をおろそかにする企業に未来はないでしょう。




一方で、ヒトの管理はどうでしょうか。

(ヒトの管理=人事管理・要員管理・雇用管理・就業管理・賃金管理等=人事労務管理とします)

実際のところ、一部の企業を除いた多くの企業は人事労務管理の改革に消極的であり、
近年急増している労働問題についても企業側の意識は低すぎると言わざるをえません。



加えて人事労務コンサルティングのマーケットは、他コンサルに比較して規模が小さいのではと実感します。


理由としては様々なものが考えられます。

  • コンサルの価値が企業にとって分かりづらい
  • 人事上の課題が明確になっていない、あるいは過去に問題が顕在化していない(潜在的な課題・問題は山積みかと思いますが)
  • そもそも経営層に人事労務管理を検討する前提知識が薄い
  • 顧客のニーズにかなったサービスの提供ができていない


これらは由々しき問題であり、コンサル側と企業経営側がそれぞれ今後真剣に取り組んでいかなければならない問題です。



企業の目的は言うまでもなく売上・利益の最大化です。
そして企業にとって最も大切な要素は間違いなくヒトです。
人事労務に求められる役割とは、企業の経営目的達成のために、ヒトの面からどう貢献ができるかということに尽きます。
人事労務の本質と重要性を正しく認識し、従業員の能力を最大限引き出すことこそが、今後の競争で生き残るために欠かせない条件の1つであると確信します。