面接時の質問に注意

先日、こんなニュースを見つけました。

http://www.asahi.com/national/update/0822/TKY201108220073.html


採用面接で血液型を聞かれることがあるようです。企業側はあくまでも参考程度と説明しています。

(※人事労務とは関係ありませんが、医学的にはABOの血液型と人間の性格には関連性は全くないといわれています。)

職務に関連のない血液型を面接で聞くことは不合理であり、いわれのない差別につながりかねないということです。

確かに

「参考までに」
「採否には関係ない」
「答えられなければ答えなくてもよい」

と言われたりしても、応募者からすればきちんと答えない訳にはいかないですし、本当にそれで合否を決めていないのか確認する術はありません。



ちなみに法律によって面接で求職者に質問することが禁止されている事項があります(職業安定法第5条の4、平成11年労働省告示第141号)。意外に知られていないものもあるので注意が必要です。代表的なものは以下です。

  • 本籍に関する質問
  • 住所に関する質問
  • 住宅環境に関する質問
  • 家族構成、家庭環境に関する質問
  • 家族の職業、地位、学歴、収入、資産に関する質問
  • 思想、信条、宗教、尊敬する人物、購読新聞、愛読書に関する質問
  • 支持政党、労働組合の加入状況に関する質問
  • 男女雇用機会均等法に抵触する質問


ポイントは、能力・適格性・職務と関係がないもの、本人の努力では解決できないもの、差別につながる恐れがあるもの、憲法で保障されている基本的人権自由権に関するものなどが考えられます。


「愛読書」や「尊敬する人物」、「信条としている言葉」などは、意識なく質問してしまいそうな気がしますし、また、「家族構成」「家族の職業」などは、私自身、過去に実際に採用面接を受けた際に聞かれたことがあります。

「将来どんな人になりたいか」というのも禁止事項ですが、「将来当社でどのようにキャリアアップしていきたいと考えているか」と聞き方を変えれば違法な質問とはいえないでしょう。



不況の影響により厳選採用の傾向が続く昨今、会社にとって必要かつ優秀な人材を確実に見極めるために採用担当者は様々な質問を応募者に投げかけるわけですが、一方で質問の内容についてもより慎重な対応が求められていることに十分留意する必要があります。



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