「キラキラネームは就職に不利」は本当か

当て字や変わった読み方の子供の名前は最近「キラキラネーム」といわれたりしますが、親がよかれと思って特別な思いをこめて付けた奇抜な名前が就職活動の場面で不利になるという話があります。

大手企業役員 「正直キラキラネームの学生の採用ためらう」│NEWSポストセブン
一部抜粋

人事ではエントリーシートや面接の際に、キラキラネームの人にはどうしても厳しくなってしまう。試験結果が同程度なら、やはり一般的な名前を優先して採用する。前例があるのに人事は何を考えてんだ、と責められる可能性があるからです

採用試験の際にキラキラネームを気にするようになった企業は少なくない。ある大手メーカー役員は、「いいにくいことだが」と前置きし、「そういう名前を付ける親御さんの“常識”はどうしても本人に影響してしまうからね」と語った。


解雇規制の厳しい日本では企業がいったん労働者を雇ったら辞めさせるのは本当に容易ではありません。これほど人を雇うことがリスクとなる国はなかなかないでしょう。出口が規制されている以上、入口である採用時点において企業は想定し得るあらゆるマイナス要素を判断材料にするのは当然です。

名前がその人の資質・能力・養育環境に関係するのかどうかはどれだけ議論してみても仮定の話でしかありません。どんなに奇抜な名前を付けられても有能な人材はいくらでもいると思われますし、その逆もまた然りです。

ですが従業員の採用というものは、特に大手の新卒採用においては費用対効果のバランスになってきます。時間とコストをかけて全ての応募者を様々な視点からじっくり選考できれば、学歴や転職歴などに惑わされずに採用の精度を上げることも可能ですがそれは現実的ではありません。

企業が効率的に採用活動を行う上で、名前が明確な採用基準とはならずとも検討材料の1つとされたり参考にされていたとしても、それが合理性がない行為だとは思えません。

企業には原則として採用基準等に関する採用の自由が広く認められており、誰をどのような基準で採用するかは一定の法律に抵触しない限り制限を受けないのです(例外として性別、年齢、障害者、思想・信条、労組加入など)。名前で解雇はできないのだから名前で採用可否を決するという企業が実際にあったとしても不思議ではありません。


なお補足として、実務面から考えると、単純に名前を「読めない」ことによる具体的な不都合は少なからずあると思われます。人事管理面からも健康保険などの手続き上からも不便であることは間違いありません。




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