未払い残業代

営業職の残業代リスクが上昇<事業場外みなし・阪急トラベルサポート事件最高裁判決>

営業職などの外回り・外勤社員に対して残業代を支給しないという会社は少なくないと思われますが、支給しない法的根拠は何でしょうか。営業手当が出ているから? 成果主義だから?そんなことが法的根拠にならないことはいうまでもありません。 営業職に対し…

「残業代ゼロ」特区という報道の違和感

企業が労働者を解雇しやすくして、さらに労働時間規制を緩和し残業代をゼロにすることも認められる特区の法案が秋の臨時国会で提出されるという報道があります。一定の年収以上の労働者、高度で特殊な能力・専門的な技術を持ち法規制にとらわれずに思い切り…

「残業代をきっちり払わせれば勤労者の所得は2割上がる」のウソ

「労基局がまともに機能するだけで、日本の個人所得が2割上がることが判明」このような見出しで最近ネット上で話題になっているのを見かけました。その話題の元になっていたのが、以下の記事です。 「名指し賃上げ要求」よりも、残業代をきっちり払わせよ h…

ユニクロ報道をみて思うこと<サービス残業問題の本質>

先日、東洋経済で「ユニクロ 疲弊する職場」と題して、現場社員(主に店長クラス)の壮絶な長時間労働、過酷な労働環境とそれらに起因する高い離職率の実態が公開され、大きな波紋を呼びました。※記事はこちら http://toyokeizai.net/articles/-/13101 この…

固定残業代(定額残業代)の翌月への繰越

毎月固定の残業代を支給する手法は中小企業を中心に定着しつつあると思われます。何時間分の残業代としていくらを支払っているのかを明確にしたうえ他の賃金と区別し、実際の残業が定額分を超過した場合の差額を毎月きちんと支払っていれば、固定残業代は違…

固定残業代を運用していても違法は違法

今月は11月なので毎年恒例の「労働時間適正化キャンペーン」が実施されています。この時期は労働基準監督署が残業代不払いについて結構厳しく取り締まります。多くの企業が是正勧告を受けて支払いを命じられることになります。 そんななか、先週こんなニュー…

「みなし残業」という訳の分からない制度

会社員の方がこう話すときがあります。「うちの会社はみなし残業制だからいくら残業しても決まった額しか残業代が出ない。」労働法的に考えると、筋の通らない話です。というのも、労働基準法その他の法律に「みなし残業」などという言葉はありません。まさ…

管理監督者問題は2段構えで対応

先月、名ばかり管理職について書きました。人事権のない管理職や管理的業務の少ない管理職、給料が部下とあまり変わらない管理職は労働基準法上の管理監督者には該当せず、したがって残業代の支払いが必要な為、管理職だからといって残業代を支給しなくても…

定額残業代ははたしてメリットがあるのか

最近は都心部を中心に従業員からの残業代の請求がかなり増加しているものと予想されます。残業時間を削減するには、変形労働時間制、みなし労働時間制などの特殊な労働時間制度を導入することがまずは有効と考えられますが、導入してもなかなか大幅な削減に…

いまだ多くの企業で問題ありの「名ばかり管理職」

法テラスに勤務していた弁護士が残業代の支払いを求めて法テラスを提訴する事件が先月ありました。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120424-OYT1T00615.htmこれは単なる残業代不払いの問題ではなく、当該弁護士が実態は労働基準法上の管理監督者と…

残業代抑制と事業場外みなし労働時間制

旅行会社が自社の添乗員に適用している「みなし労働時間制」が不当だとして訴えられていた裁判で、みなし労働時間は認められず、残業代を支払うよう会社に命じられる高裁判決が先日ありました。http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY201203070586.h…

更新料「有効」 最高裁判決がもたらすもの

15日、重要な最高裁の判決がでました。気になっていた方も多かったのではないでしょうか。賃貸住宅に係る更新料の有効・無効を争う裁判です。既に地裁で10件、高裁で4件が更新料を無効と判断しており、首都圏と関西を中心に多くの訴訟が継続中でした。…

名ばかり管理職を甘く見てはいけない

つい最近ですが、知り合いの同業者の関与先で従業員から残業代を請求されるトラブルがありました。未払い残業代を請求されるにもパターンは色々ありますが、今回のケースは、会社が管理職にしていた社員が実態は管理職じゃないとして支払われていなかった残…

残業代紛争は嵐の前の静けさなのか

会社が労働者から未払い残業代の請求を受ける案件がここ数年急増しており、今後さらに増加すると言われています。その要因の1つとしてあげられるのが、大量の弁護士の参入です。 いま弁護士業界は、司法制度改革によって司法試験の合格者が急増し飽和状態に…

未払い残業代を「不当利得」で返還請求

最近何かと話題になる未払い残業代問題。 特に退職した従業員から訴訟を起こされる案件が増えています。 「ちなみに未払いの残業代って、昔の分まで請求できるの?」という疑問も沸いてきますが、残業代を含めた賃金の請求権は、2年間行われない場合は時効…